デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆のお感想
前回はもうデジモンくんは追わないと言った手前アレですが、先日おともだちに脅迫され、公開終了までハラスメントを受け続けるかゲロ吐きそうなメンタルで観に行くかを天秤にかけた結果後者を渋々選択する事としました。
結論から言うと立つ鳥水質汚染大公害のtri.から大幅な改善が見られ、「まぁよくある水準、そこそこ観れる」レベルには仕上がっている作品でしたね。
100点満点60点未満赤点tri.一発退学とするならば個人的には65点くらいの出来、「可」って感じで、この作品に良、優、優勝といった評価をつける人がいても脳や精神の異常は疑わないで済むくらい、前作までの惨事を考えれば破格と言えます。
以下、ネタバレに配慮してやや分量少なめでかいつまんで
・序盤すっげーいいよコレ!
季節、気温にそぐわない異常気象、突如パロットモンが街に現れ、選ばれし子供達が応戦する…という構図から本編開始。
パロットモンが出てきてグレイモンが応戦する、これだけで「わかってる」感が出て掴みはバッチリ。進化バンクもtri.の謎卵ではなくなじみ深いものに。
戦いで町が破壊されるのも仕方ないとこは仕方ない、減らせるダメージは減らす…といった戦い方もグッド。戦いが嫌だ!とか突然言い出してウジウジしたりヘリに必殺技をぶちこんで墜落させるようなやつもいません。
その後も「ぼくらのウォーゲーム!」「ディアボロモンの逆襲」を深く意識したであろうシーンが違和感なく用意され、02勢もしっかりと活躍、こういうのが観たいんだろう?といったサービスが力強くお出しされ、しっかりと観客の心を掴みます
ここでやっと「tri.とは違うんだ」という実感が湧いてきて吐き気が収まり気分も上向きになりましたね…やるじゃん…と素直に感心できるものでした。
あと思いっきり「俺は宇宙飛行士でも目指すかぁ〜」や「次はディアボロモンかな?」を始めとしたtri.のことは出来る限り無視してて逆に好感(投げっぱなしになったとも言うが不法投棄された物を拾う義理はないので仕方がないね)
・ただ中〜後半は…
そんなサービス精神旺盛な序盤の後はデジモンとパートナーが別れる時が来るというルールと「敵」の正体と真の目的が明かされるのですが非常にありふれたもの、自分の感想としては正直陳腐なものでした。
戦闘面では「ディアボロモンの逆襲」、背景ネタで「デジモンハリケーン上陸!!」へのリスペクトが伺え、ニヤリとさせられましたが本筋はいまいちで失速感が拭えなかったかな、と
あとオチと話の繋がりが弱く、「なんでそうなるか」「過程」がいまいちだったなぁと ワンクッションあればまた違って見えましたが…
よく言えば別れをより鮮明に印象付け、「02ラストにどう繋がるかは想像に任せる」という「余韻」、悪く言えば「つなぎ」を放棄したと言えるかな…
まぁぶっちゃけ後付けや変更含め色々と設定に無理がある作品なのでそこらへんがマイナス。可能性云々言いながらなにしようか具体的に決まってない太一とヤマトがオメガモンへの進化を経たとはいえ真っ先にタイムリミットがきて、最年長かつやることががっちり決まってる丈なんかがそのそぶりがなかったりね…
・総括
「デジモンアドベンチャー完結篇」としてはやや力不足ですが、「いちアニメ映画」として観れる、よくある水準の作品に仕上がっており、tri.のせいで地中に埋まったハードルを普通めの高さのジャンプで飛び越えた、そんな作品です。
僕は今作が全体的に「設定」のために動かされてる感があって、特別好き!もっかい観に行きたい!とまでは思いませんしまぁ…ぼちぼちだな…といった所ですが、個々人の感受性によってはもっと高く評価してもおかしくない「作品」だと思います。
汚物や吐瀉物としか呼べないものを見た後だから本編よりそれの方が泣けてしまう節はある。
あとは本編のテーマに反する「デジモンアドベンチャーリメイク」や「普段のデジモン公式の凄惨さ」がどうしてもちらついてしまうところがあるので、本編を見てから十数年ぶりに思い出したんだって人が一番楽しめる、一番幸せな映画なんだなと…きっと僕は対象ではない…
以上で感想、レビューを終了します。二度とデジモンアドベンチャー続編と出会わないことを望むよ…