キミはもう「キャプ翼 RISE OF NEW CHAMPIONS」をプレイしたか?「原作愛」だけではなくキャラクターへのリスペクトが溢れたファンディスク




PS4/switchで現在発売中のキャプテン翼RONCのレビュー記事になります

多少のネタバレを含むので気にする方はご注意

 

 

なんたってわたくし一角はキャプテン翼のファン(正確には度々迷走する作者にぶつくさ言いながら二十年以上付き合ってる)で、今までクソゲー、クソインフレスマホゲー、複数の原作再現ゲーを経験しており、正直なところ「また中学JYの再現ゲーか…」と正直食傷気味になっていたわけです(PS2版とDS版が同範囲の再現ゲー)。

 

しかしながら、今作は操作に慣れこそ必要なものの、自分の(低いハードルの)想像を大きく超えるゲームとなっていました。

以下、今作の特徴

 

 

・キーパーがめっちゃ硬い!

キャプ翼読者ならみんな大好き森崎くんが堅守な作品は意外と多い(と言うかテクモ版以外結構な割合で強い部類)のですが、今作は代表候補に残らなかった無名のキーパーでも結構な粘り強さを見せ、PA内からのタイガーショットドライブシュートをあっさり防いでしまう事も。

 

 

今作は「GKを鉄壁にして、シュートを繰り返してスピリット(スタミナ)を削り得点する」デザインであり、必殺シュートもボタン長押しでゲージを溜め、敵のタックル相手に無防備な状態を維持した後に放たなければならないため、なかなかキーパーに届かせることも難しく、ボカスカ必殺技を撃ち合うようなキャプ翼にありがちな大味な展開にならないよう努めている感じ。

 それでもファインプレーでMAXまで貯めたゲージを消費しチームを強化する「Vゾーン」を組み合わせたり、世界トップレベルの選手が放つより長時間ゲージを溜めた「スーパーシュート」ならば粉砕も可能。このゲームの若林は本当に強く、PA外からシュートを撃たれるとただでさえ高いステータスがパワーアップするのだが、それでも世界トップレベルの選手のスーパーシュートを受けるとあっさり失点してしまう。クライフォートにPA外から4点取られるとか笑うしかない。

それに対抗する為にもMAXになったゲージを全て消費するスーパーセーブの使用も視野に入れたい。(森崎若島津若林ジノ…といった有名キャラのみ使用できる)

 

・選手の特色が色濃く反映されている

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同じ東邦学園の選手でも、松木くんと原作で日本代表合宿に選出された小池くんとでは能力差が大きかったり、

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 大友中の大型新人で井沢のシュート翼のミドルシュートを止めたキーパー、一条くんは全国クラスでも能力がやや高めだったりとファンなら(でかい主語)思わずニヤリとする個性付け。

他にもライン際で素早くなる滝、序盤は敵エースに失点するが、後半は一矢報いる事が多かった森崎には開幕20分はステータスが大きく下がるが以後大きく強化される「スロースターター」がついていたり、FWに並べる事はできないものの若島津のキック力が新田や反町を上回り「弾丸シュート」を習得している等盛り沢山。

 

 

・ドラマチックモード

本作の目玉モード。「原作再現ゲー」の色が濃く、強めのユニットが数多くいる南葛で全国優勝を目指す操作に慣れるためのエピソードオブ翼と、ふらの、武蔵、東邦のいずれかで全国大会後にフランスでのJY、日本での代表合宿が中止になり、新たな国内大会で代表選考を行い、アメリカが舞台のJYに挑むエピソードオブニューヒーローの2つから選べる。

エピソードオブ翼は前述通り操作に慣れる意味合いが大きい為、エピソードオブニューヒーローを重点的に解説。

 

攻撃力にやや欠けるふらの、三杉がいない時に全国の強豪には歯が立たない武蔵、日向が不調の東邦の穴を埋めるべく新戦力の一年生、「マイユニット」を投入するモード。

マイユニットは試合で幅広く活躍したり条件を満たしポイントを割り振る事で能力が成長して行き、試合を重ねる事で一応名ありキャラレベルからJYの主力が担えるまでになるほか、大会の日時が伸びたが為に実は怪我が全快したわけではなくそれを押して戦っていた翼のコンディションが良くなっていたり、マイユニットと同様に新戦力が見つかっていたり、実はJYには怪我で出場していなかった有力選手が復帰していたり、参加国が増えたり、長所をトレーニングで伸ばして原作よりパワーアップしていたり…と原作ファンにも真新しい展開が満載。

 

また、日本以外の「強豪vs強豪」の夢の戦い、勝敗も「怪我を顧みない必死のプレーでチャンスを作る」「死力を尽くして土壇場で成長」「主力が怪我をしてしまい…」「相性の悪さ」「キーパーの力の差で少しずつ点差が開く」「本来の出番はWYであり、これからプレイヤーとしてさらに完成する」と出来るだけ両国の格を下げないよう努めており、WY以降のかつての強豪が大量失点無得点でかませに!なんか天才キーパーがぼこすか失点する!といった展開はなく、本作オリジナルキャラクターの扱いも巧み。正直ここ数十年の原作より面白い。(ライジングサンはオランダとアルゼンチンは良かったんだけどね…)

 

また、マイユニットと他プレイヤーが親交を深めると新必殺技やスキルを獲得できる他、交流したキャラクターにスキルが増えたり、意外な一面が見られたり、ストーリーが分岐したり…とキャラゲーとして美味しい要素が盛り沢山。

 

 

総括してキャラゲーとして欲しい要素をしっかり抑えておりファンなら買いというヤツ。

原作再現はおまけながらも時に熱い展開がリバイバルし、オリジナルキャラとの絡みや強豪同士の激闘で原作にない活躍が見られる。同点、リード、ビハインド、得失点によりチームの台詞が変わる等作り込まれているほか、日本のオーダーを変え、条件を満たすと特殊なイベントが発生する事も。イベントの条件は厳しいものもあるが掛け合いもあり必見。

 

作品全体での難点を挙げると、点が取りにくいために引き分けが起こりやすいが、リーグ戦、総当たり戦は全勝せねばならず、また延長戦がないためにリトライを強要されやすく、リトライするとマイユニットへのポイントボーナスが減少してしまう点か。(アプリケーション落とせば試合前に戻ってペナルティなくなるけどダルい)

それ以外は手堅くまとまり、見どころも多い作品なので気になった方は是非手にとってほしい。

 

 

最後に。

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 ムチャ言うなや!!!